プロテインS活性
不育症の原因となる母体の要因として挙げられるのは、子宮形態異常や甲状腺機能の異常、夫婦の染色体異常、抗リン脂質抗体、血液凝固因子の第12因子の欠乏などがありますが、それ以外にもブロテインS活性の欠乏というもの意外と多くあります。
プロテインS活性とは、血液強固に関係する因子の一つで、血液が凝固しないように制御しているタンパク質です。なので、この活性度が低くなると、血液が凝固しやすくなり、血栓ができやすくなります。
子宮内膜や胎盤などはもともと血液循環が悪い組織でこのプロテインSが活性化しなければたちまち血栓ができてしまい、受精卵や胎児に栄養を送ることができず、流産してしまいます。
妊娠をすると、第12凝固因子は増えますが、このプロテインSは減少します。なので、妊娠前に第12凝固因子に問題があっても妊娠をすると正常値に戻る場合がありますが、プロテインSが低いとさらに低下してしまうことになります。
このプロテインSの低下は東洋人に多いようなので、日本人にはこのプロテインSが低い人が多くいることになりますので、不育症の検査では特に注意する項目になります。
妊娠が正常に推移したとしても、胎児の発育に異常が出たり、あるいは早期に胎盤がはがれてしまったりと、妊娠にまつわる合併症を引き起こす原因になりますので、不育症治療に限らず妊娠中の人もこのプロテインSの活性度を調べる必要があるでしょう。
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