異常受精
基本的に一つの卵子に一つの精子が結合することで受精が完了しますが、まれに精子が二つ以上結合してしまう場合や受精後に分割異常が起きることによって核が複数出来てしまう場合があります。
これは一般的には異常受精として、体外受精の場合は移植をすることありません。
体外受精をしても異常受精を繰り返してしまう場合、染色体の中央狭窄部にあるセントロメアに対する抗体が陽性であることが多いようです。この抗体は、抗セントロメア抗体といい、強皮症などの膠原病に罹患している人や肝炎に罹患していた人には、この抗体が陽性である場合が多いとのこと。
この抗体があるために染色体が正常に減数分裂できず、異常受精になってしまいます。
対処療法としては、ブレドニン(副腎皮質ホルモン)を内服することによって、異常受精を回避することができるようです。ただ、ブレドニンを服用しても異常受精が回避できない人もいるので、そういうタイプの人は、免疫グロブリン(IVIG)を使用することで回避できるようです。
時折、アレルギー疾患でもないのにブレドニンを処方された・・・・何のために服用するのか分からない・・・・と訴える患者さんを見かけますが、おそらく異常受精があったために、それを回避するために処方されたのでしょう。
不妊治療は日進月歩で進歩しています。常に新しい情報を入手して、自分の知識をアップデートしておかなければなりません。
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